光合成する本棚

こっそりひっそり

上野の森美術館 : フェルメール展

"それは、このうえもなく優雅な事件。"

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上野の森美術館フェルメール展(フェルメール展)。フェルメール作品は現在確認されているのが35点で、そのうち9点が集まったのは日本美術展史上最多ということらしい。

 

全6章で構成されており、第5章まではフェルメールと同じ17世紀オランダの画家たちの作品が展示されている。「好きだなあ」と思う絵が多かったので楽しかった。詳しくないのでわからないけれど、この時代のはやりというか、主流であったような技法・構成が好きなのかもしれない。あと第2章は神話画・宗教画だったけれど、物語を知っていることが前提とされているぶんキャンバスの外側まで絵が拡張されて、しかもそれでかえって画家が切り取った"この瞬間この場所"がさらに引き立つ感じがしてこのジャンルは基本的に好き。

全観覧者が音声ガイドを持つとともに、作品に関する文字情報が絵の横ではなく手元の冊子に集約されていて人の流れがスムーズになりやすく観やすかった。

 

第6章の「フェルメール・ルーム」の直前には短い白い廊下があり、天井と壁の切れ込みから照明が射し、光と影の入り口だった。

 

 第6章「光と影:フェルメール」は薄暗い広い部屋の3辺にフェルメールの絵が展示されている。いくつも並んでいるのを観ていたら、写真で見たときと色合い・大きさのイメージが違ったり西洋の古典に多く観られる三角形構造(前に授業で教わった)を見つけられたり、この目で鑑賞したことによる自分なりの新たな発見があったので嬉しかった。

 

グッズもいろいろあって可愛かった。自分用のお土産はクリアファイル。

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『手紙を書く女』。もこもこのついた黄色い上着を記憶に留めたい。

 

夕ごはんはatreのブラッスリーレカンに連れて行ってもらえて嬉しかった。ほぼ駅ナカで扉直前までは賑やかなのに、中に入ると一気に落ち着いた雰囲気になって感動した。かつての貴賓室の面影が残り、かつ普段着でも行けるくらいの場所ではあるのでちょっとした時に便利そう。(社会人なら。)

ポートワインを初めて飲んだけどおいしかった。赤ワインを飲んだことのない人の想像する赤ワインという感じ。

 

上野の森美術館、ここしばらくまで実はあまり行ったことがなく印象もほとんどなかったのだが、場所や広さが手軽で良いし、展示方法や構成もおしゃれでかつ見やすいのでかなり好きかもしれない。